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1 平成16年11月25日に成立し、12月1日に公布されました「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に
関する法律の一部を改正する法律案」により創設された動産譲渡登記制度が平成17年10月1日より施行され
ます。
2 同制度は、「法人」が「動産」(貨物引換証、預証券及び質入証券、倉荷証券又は船荷証券が作成されている
ものを除く)を譲渡した場合に、動産譲渡登記ファイルに動産譲渡登記がされたときは、民法178条の「引渡し」
があったものとみなすものとする制度です。
従来は動産には不動産のような登記制度は存在せず、動産を担保として融資を受けるためには質権を設定す
ることが民法上の原則でした。ところが、質権を設定するには引渡しが必要であり、例えば工場の機械を担保に
する場合には債権者に機械を引き渡さなければならず、自己が機械を使用し続けることができないという不都合
があります。
そのため、実務では当該動産を担保として活用するため、当該動産を譲渡したものとし(代金が実質的な借入
となる)、当該動産を債権者から借り受けて使用する方法を用いてきました(譲渡担保)。
もっとも、動産の譲渡の対抗要件は「引渡し」であるため(民法178条)、譲渡担保においては占有改定により
引渡しがなされるものの二重譲渡のリスクを伴うことがありました。
今回の改正では、法人に限定されますが動産譲渡登記が「引渡し」とみなされたことにより、動産譲渡登記も
第三者への対抗要件となるため、より安全に譲渡担保が設定できることなり、金融機関からの融資を受けやすく
なったものと評価できます。但し、動産譲渡登記の目的は譲渡担保に限られるものではなく、実際の譲渡におい
ても利用可能です。
なお、動産譲渡登記はあくまでも対抗要件にすぎないため、登記以前に二重譲渡を受けた第三者が引渡を受
けていたときには、当該第三者に対抗することはできません。
また、動産譲渡登記の登記の期間は特別の事情がない限り、10年を超えることができません。
3 加えて、代理人によって占有されている動産の譲渡につき動産譲渡登記がされ、その譲受人として登記されて
いる者が当該代理人に対して当該動産の引渡しを請求した場合において、当該代理人が本人に対して当該請
求につき異議があれば相当の期間内にこれを述べるべき旨を遅滞なく催告し、本人がその期間内に異議を述べ
なかったときは、当該代理人は、その譲受人として登記されている者に当該動産を引き渡し、それによって本人
に損害が生じたときであっても、その賠償の責めに任じないものとされました。
4 動産譲渡登記の登記事項の概要は何人に対しても開示されますが、すべての登記事項は譲渡の当事者,利害
関係人,譲渡人の使用人に対してのみ開示されます。
(柴田耕太郎)
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